テレビ離れは芸能事務所の淘汰も招いたか
テレビ離れは腐りきったテレビの体質を健全化させるもの、芸能事務所の淘汰も悪しき芸能の体質の改善に繋がるものと解釈したい

ここに来て芸能事務所の倒産が相次いでいるというのですが、まあ、これも日本人のテレビ離れが招いた話というわけです。
結局、テレビ離れが進んでCMの減少や値崩れ、そしてドラマの制作費のカットなどが発生したことで、テレビ屋と芸能事務所がナアナアになって取り決めをしてきたプロセスが完全に崩れてしまったことが大きいのです。
芸能事務所が幅を利かすという、日本独自といえる旧態依然のナベプロ式の芸能事務所の経営は成り立たなくなってしまったのです。
ということで今回は、芸能事務所の倒産が相次いでいるという実情に迫ると共に、いつも通りの雑学タッチとオチャラケを交えて、搾取がまかり通ってきた芸能事務所の悪しき体質の実態などを簡単に述べてまいります。(この記事は私が過去に出版した著書の一部を抜粋して記したものです)
テレビ嫌いで芸能に対する憧れも萎んだ
俳優の布施博が代表を務める馬力屋と、萩本欽一の元マネージャーだった方が社長務めるという、はしのえみや東貴博がかつて所属をしていた佐藤企画が破産開始を決定したニュースが飛び込んできたことで、芸能事務所の業界構造が大きく変化をしていることが浮き彫りとなったのです。
ここにきて、芸能事務所の経営環境は厳しさを増しているようなのです。
これは、テレビの衰退も当然のことですが、それと共にソーシャルメディアの普及によって、芸能事務所を通さないというタレント独自の活動が可能となる自己プロモーションが拍車を掛けている背景もあるというわけです。
結局これは、今のテレビ自体が軽薄化していることで、昔のようにテレビに出ることが出来る人は特別という優越の意識が薄れて芸能界に対する憧れも萎んでしまい、それと共に芸能事務所も淘汰される時代となったということなのでしょう。
ベールに包まれた異質な世界は終わった
今迄の芸能事務所の場合は、売れっ子をたくさん抱えた大手事務所と成れば、左団扇の殿様経営も可能といわれたのです。
しかし芸能事務所の経営となると、異質故にベールに包まれた世界なわけで、この世界に精通をしていなければマネージメントを切り盛りすることは実質不可能なのです。
そうなるとマネージャー経験者やプロデュースを手掛けた経験のある人物が独立を果たすというのが定番となっているのです。
なにより、芸能事務所とは所属の俳優やタレントたちを搾取出来る強い権力を持った組織なわけです。
それこそ、芸能志望は引く手あまたの世界、押さえつけ一本やり、嫌なら辞めろの強気の姿勢で通ってきた業界なので、芸能事務所とテレビ屋は一緒になって立場の強さを最大限に行使して芸能従事者を搾取してきたのです。
だが、テレビ離れと共に、強気一辺倒の経営は、とうとう終焉を迎えることとなったというわけです。
芸能事務所はピンハネのヤクザ稼業
今迄やりたい放題を尽くしてきたのが芸能事務所、だが確かにその役割は大きいのです。
役者やタレントが直接、テレビ局や制作会社、広告代理店などに営業交渉やマネージメントするなど経験もないしそんなことが出来る筈もありませんよね。
これは、農家がいくら野菜を作っても仲買人のJA農協の存在がなければ市場に出回らないのと同じで、俳優やタレントを斡旋する芸能事務所は、テレビ局や映画界などの芸能界には欠かすことが出来ない存在だからです。
こうして、芸能の世界で役者の斡旋業を行う芸能事務所の存在は途轍もなく大きくなって行ったのです。
そうなると芸能事務所もベールに包まれた存在となってしまうのは成り行きのもの、なので、昔の旧態依然としたヤクザ稼業の名残がある事務所はたくさん存在するのです。
その芸能事務所がヤクザ稼業といわれてしまうのは、ギャラのピンハネが常態化しているからです。
それは役者やタレントの仕事の斡旋は事務所任せなので、この仕事をいくらで受注してきたなんてことは役者やタレントたちには皆目判らない世界なのでいかようにもピンハネが出来てしまうからです。
マネージメントの交渉権を握る強み
ここからは、芸能事務所が何故これほどの権力を持ち、役者やタレントたちを束縛出来るのかの素朴な疑問に対して、簡単判りやすくその実態を記してまいります。
何度も言うように芸能志望者はいつの世も引く手あまたなので、十把一絡げの使い捨てがまかり通る世界なのです。
そうした中で芸能事務所の強みとは、マネージメントの交渉権を握っていることで、役者やタレントたちをコマとして自由に動かせるのです。
何より芸能志望の役者やタレントたちは未完成の商品だということです。
未完成の商品を本物に仕上げて送り出すのが芸能事務所の仕事なのです。
芸能事務所に所属し、新人芸能人が真っ先にやることは、事務所のスタッフに気に入られることから始まるのです。
それは、仕事を取ってくる、売り出してくれるのは事務所スタッフだからです。
事務所スタッフに気に入られた人は出番を与えられるが、そうでない人は十把一絡げの扱いで干されるのです。
ということで、最初にレールを引いてくれるのは事務所なので、そのレールに乗せてもらえない予備軍は淘汰されていくわけです。
レールに乗って初めて実力が発揮できるのが芸能の世界であって、最初の段階でつまずく人が殆どだということです。
ということは、最初から事務所に意見を言える人間は、スポンサーの息のかかった極一部の人間か2世くらいのものなのです。
絶対権力の下地は志望者が多いこと
特に役者と違ってタレントの場合は、売り出し期間が短いので、ある程度の年数が経ってしまうと事務所にしがみつくことも出来ないのです。
こうして、売り出しと成功への道は、事務所所属の際に始まっているわけです。
因みに、昔の話ですが、50人くらいのタレントや役者を抱えている事務所だと、2人の有名人がいて、脇の中堅が8人、あとは常に入れ替えの使い捨てという感じです。
タレント、役者は通常の就業者と違って所属(契約書なんか勿論無し)させるだけなので、食わせていく必要もないので経費も掛からないのです。
多くタレント志望者を抱えることは、事務所組織をそれなりに見せるためのカモフラージュとなるので、そこから一人でも使える人間が出てくれば御の字ということなのです。
とにかく、いつの世も芸能志望は後を絶たないので、嫌なら辞めろの超強気の世界なのが芸能界、変わりはいくらでも補充出来るわけです。
これでは、絶対権力を握れるのは当然のことです。
有名人の独立の殆どは失敗する
芸能事務所の倒産が相次いでいるというが、それは昔からのことで、成功して事務所を大きくした人は、ナベプロから独立した人かその手法を学んだ人ばかりなのです。
そうしたことで、役者稼業から独立した、当時のビックスターの三船プロや裕次郎、勝プロや錦之助などは、どんぶり勘定の放漫経営も祟って資金繰りに屈していて、常に借金取りに追われる日々となり、経営はみんな青息吐息状態だったのです。
それこそ、芸能事務所などやらなければ彼らはもっと長生きが出来た筈です。
役者稼業でお山の大将に登り詰め、更に実業家を目指すというのは相当な無理があったということです。
今の芸能事務所の経営はコンプライアンスもうるさくなったことで、タレントを過度に束縛も出来ないし、ピンハネも出来ないので、割に合わない事業経営となったことは間違いのないことです。
忍者ライターの久保誠が「デュラルライフ」「田舎暮らし」「シニアライフ」「スローライフ」「海外ロングステイ」の情報と「雑学のすすめ」を主題として、ソフトタッチに日々の出来事、経済、国際情勢、政治、芸能、歴史のウンチクなどを語ってまいります。





コメント