ウイグル潜入行方不明「バッパーショウタ無事確認」
今、SNSやユーチューブの世界で大騒ぎとなっている登録者130万人の人気ユーチューバーのバッパーショウタさんの行方不明事件。
とにかくバッパーショウタさんが決行する体験取材は、知られざるダークな世界で真実を究明するという迫真に満ちたものなので、見終わっても脳裏に焼き付いてしまうほどインパクトが強いのです。
だが、う~ん、今回に限っては勝手がまるで違ったのです。
それはベールに包まれたウイグル自治区という、中国にとって一番秘密にしたい民族浄化が実行された危険エリアでの潜入だったからです。
そんなバッパーショウタさんは、中国のウイグル自治区に取材潜入をした後に行方不明となってしまい、安否が心配されたのです。
しかしその後、彼自身がユーチューブに出演をして、現在の心境を報告したことで、無事に日本に帰国をされていたことが確認出来たことで一安心となったわけです。
でも、その画面に映し出された彼の姿は、どう見てもいつものノリとは全く違ってテンションが下がっていたことで、様々な憶測を生んでいるのでした。
ということで、今回はいつも通りの雑学タッチでウイグル取材の過酷に触れ、今日から3回に分けてバッパーショウタさんの足跡をたどってまいります。
今回に限ってはちょっと無謀だったかも
そのバッパーショウタさんが中国のウイグル自治区に取材を敢行したそのタイトルは、
「中国ウイグル自治区と強制収容所の実態がとんでもなかった」
という衝撃的なものだったのです。
いやー、これだと確かにあの中国共産党政府が黙っている筈もありませんよね。
でも、実際の内容は、完全に中国公安の監視の中での取材なので、今迄と違って踏み込んだ内容になってはいなかったのです。
それにしても、いくら何でもウイグル取材は無謀の極みだったのかも。
中国政府は、ことウイグルに関しては異常なほどに目を光らせており、欧米の人権団体がウイグル族弾圧のキャンペーンを展開するも、悪質な内政干渉と一刀両断で跳ね返してきたのです。
結局、彼をこの無謀な世界に引きずり込んでしまったのは、中国の悪口は言わない報道しないという、まったく頼りにならない日本政府とマスメディアの不甲斐なさから来るもので、彼のジャーナリスト魂が奮い立ってしまったのです。
中国公安の尋問は世界一非道
あの、意気消沈となった硬い表情の彼の映像を見る限り、彼は拷問紛いの過酷な尋問を受けたことは間違いないことでしょうね。
中国の公安の取り調べは苛烈、過酷そのもので、ましてやウイグルとなると半端な尋問では治まらなかった筈です。
ましてやこのタイトルだと下手すると、スパイの濡れ衣を着せられて終身刑がいい渡される可能性すらあるのです。
私自身、中国には何度も足を踏み入れてきたのですが、それはあくまで観光目的なので、当然、シビアなウイグル地域を訪れた経験はないのです。
しかし10年前のことですが、現地を見てきた友人の商社マンの証言を基にウイグルの内情をまとめてブログにしたためた経緯があることで、その内容の一部を呼び起こして、ここで記してまいります。
民族浄化が行われている新疆ウイグル自治区
商社マンが見たウイグル自治区は、紛れもないウイグルへの弾圧であり民族浄化という人権侵害が行われていると証言するのです。
ウイグル族の中国共産党の支配は1955年に始まったのですが、中国政府は、ここから何年にもわたってウイグル族を弾圧してきたのです。
その反発が基でウイグル族の抵抗が続きテロを招く結果になるなどで、益々弾圧を強化していったというわけです。
そうしたことで、新疆ウイグル自治区は、ウイグル族の文化は完全に破壊され、モスクがあっても中国共産党のスローガンが書かれており、街中は武装した漢民族の警官だらけで、常にウイグル族を監視して、尋問しては連行するという酷い光景を目のあたりにしたと証言しているのです。
何故ウイグル族は迫害を受けるのか
ウイグル族は、中国国内の少数民族の中でも最大規模で、約1000万人以上の人口を擁するのです。
そもそもウイグル族が住む新疆ウイグル自治区は、カザフスタンやキルギスタン、パキスタン等と隣接した地域なので、中国人なんてまったく存在しない地域なのです。
そのウイグル族が住む地域を当時の中国人民軍が制圧して自分たちの領土にしてしまったというわけです。
ウイグル族は、イスラム教を信奉した民族なので、中国語をまったく知らないし、自分たちが中国人だなんて思う人は誰もいないのです。
まあ、中国政府から言わせれば、思想や文化習慣がまったく違うイスラムウイグル族の存在は絶対に受け入れられないということで、そんな連中が1000万もいるということにもの凄い脅威を感じるというわけです。
こうしたことで、中国政府はウイグル族に対しての教育・訓練と称して「職業訓練施設」を作る事を法制化したわけです。
この施設は「職業技能および教育訓練センター」という一見緩い名前を付けて世の中を欺いていますが、実際は民族浄化を目的とした悪名高い強制収容所なのです。
バッパーショウタさんの今回のウイグル自治区潜入の目的は、この「職業技能および教育訓練センター」という強制収容所の実態を世に知らしめたいという目的もあったと思われるのです。
しかし、今ではウイグル族はどんどん追い詰められ、中国共産党によるウイグル族を抑止する為の漢民族の大量移入政策でウイグル自治区の人口構成は激変してしまい、漢民族の数がウイグル族の数を上回ってしまったのです。
いやはや、中国という国は本当に恐ろしい国です。
明日もバッパーショウタさんの話が続きます。
(※いつも慌てて書くので、誤字脱字が多く、何卒、ご容赦願います)
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