忍者ライターの取材日記ロングステイ編パート3
ロングステイブームのあらまし
幸せを育む夢を求めて家もすべて処分して異国の地へと飛び立ったというこのご夫婦の夢物語。
しかし僅か3か月でロングステイ生活に終止符を打つという衝撃的な結末が待っていたのでした。
一体何が⁈
徐々に事の展開が見えてきたのでした。
A氏の話は続く
「いやーそれにしても、言葉の問題は、実際にはかなり深刻だった。最初は身振り手振りが通じるのが面白かったりしたけど、途中から私も女房もカリカリしだしてしまったので、毎度それだとストレスとなってくるんだよね。参考書なんかを買って現地語を覚えようとしたけど、そんなの絶対ムリだとわかったよ。とにかく、文化の違いは大きいよ、生活様式がまるで違うので、順応するのに一苦労だよね」
うん、うん、うんなるほど、なるほど。
ロングステイブームとはいかなるものか
それではここで、私も嵌まってしまった当時のロングステイ熱の経緯を簡単判りやすく解説してみます。
このロングステイブームとは、常夏の東南アジアのリゾート地を終の棲家として悠々自適な暮らしを送るというキャッチフレーズで始まったライフスタイルなのです。
このロングステイは、東南アジア各国が外貨獲得のために始まった国策事業なのです。
その一番の売りが、物価が安いことで、年金生活者でもプール付きのリゾートマンションで悠々自適にハイソな生活が送れると謡ったところにあるのです。
当時の業者の宣伝もいい加減そのもので、7万円の年金で悠々自適な生活が送れるなどのキャッチもあったのです。
とにかく、日本人の場合、1年の半分は寒さとの葛藤となるので、1年中暖かくTシャツと短パンで過ごせる南国に憧れを持つ人が多いのです。
こうして、東南アジアに行けば日本では考えられない生活が送れるということで、ロングステイ熱が一気に向上したのでした。
そうしたことで、国もロングステイ財団を使って後押ししたことで、旅行業を中心としてロングステイブームにあやかろうと不動産屋やリゾート関連会社などが相次いで参入を果たしたのです。
ところが、実際にはロングステイを積極的に推進している国は限られてしまうのでした。
結局、ロングステイを積極的に受け入れている国は、マレーシア、タイ、フィリピンの3か国となるのです。
この3か国は国が奨励していることで受け入れ態勢が整っているのです。
ここで見落とされていたことは、ロングステイには永住権はないので、終の棲家とはならないということなのです。
そう、A氏のように業者にせかされるままに日本の住まいを処分して現地に赴いた人も多くいたのでした。
当時、マレーシアにはMM21というロングステイビザがあり、タイにはO-Xビザ、フィリピンはクオータピザというシステムがありますが、これらは永住権ではなく、あくまでロングステイ専用のビザなのです。
まあ、これも田舎暮らしのインチキPRと一緒で、負の側面は完璧に切り取られているので、浮かれ話一直線で話が進んで行ったのです。
今日はここまでとさせて頂き、明日はA氏の話に戻ります。
コメント