離島での自給自足生活は可能なのか
今の日本の状況は、本格的な自給自足を実践しようと思っても自然破壊や法の縛りでがんじがらめの足枷だらけの状況となっていることで、自給自足の場所自体がないのです。
結局のところ、現代の自給自足は、田舎の集落でも足並みが揃わないので嫌われてしまうし、自由度のあるハーフビレッジ(半田舎)にも全くそぐわないライフスタイルなので、拠点探しに難儀してしまうというわけなのです。
そうした中で、一時期クローズアップされたのが離島での自給自足の実践なのでした。
ということで、今日は自給自足のライフスタイルを離島という島に視点を置いて考察してまいります。
離島でも自給自足は化石の状態だった
離島はそのものズバリの四方を海に囲まれた島なので、それこそ島の人たちは先祖代々自給自足の暮らしを実践して来た人たちということで、自給自足での暮らしの本元ともいえる存在なのです。
しかし、今の離島もご多分に漏れず自給自足は化石状態となっているのでした。
それは離島の場合、戦後の離島振興法によって、離島への海上貨物輸送の進化と共に本土からあらゆる物資が供給されたことで、島民のライフスタイルも大幅に飛躍を遂げ、本土並みの生活水準へと変貌しているからです。
こうして今では食料品や生活物資は、本土から運ばれて供給されることで、自給自足で賄う割合はどんどん縮小して行くことになったのです。
それこそ、今の離島は本土から運ばれてくる食料品や生活物資の海上貨物輸送が命綱となっているというわけです。
そうしたことで、外部の人間が離島で自給自足を実践しようと願っても、島民たちとは波長が合わないことになるのです。
魚介類の宝庫という都会人の妄想
都会人の場合、離島と聞くと海の資源が目に浮かぶので、魚が豊富に取れると勘違いしてしまい、海産物だけでも自給自足の生活が可能なのではないかと単純に考えてしまうのです。
しかし、実際の離島は島全体が絶壁に囲まれた岩だらけなので、魚を獲る場所は殆どなく、しかもそこにいるのは身にもならない小魚程度なのです。
また、貝類などは島の漁協が管理しているので、勝手に獲ることは出来ないのです。
それより何より、島周辺の海は常に荒れ模様なので危険地帯そのものなのです。
結局、魚を獲って自給自足は淡い夢でしかなく、離島の場合も畑を借りて、作物を育てるという自給自足の基本のセオリー通りの展開となるのです。
こうして、離島の場合も自給自足を実践するには干渉を受けない人の出入りが多い離島であれば充分に可能だということです。
干渉を受けない人の出入りが多い離島といえば、伊豆大島や八丈島あたりだったら打って付けかも知れません。
それより小さい島だと土着性が強いので軋轢を生んでしまいます。
伊豆大島や八丈島、佐渡ヶ島あたりだったら、人口も多く島の面積も広いので、事前に役所などに自給自足のライフワークを伝えておけばトラブルケースは回避出来ることでしょう。
結局、自給自足ともなると離島でもフリーダムな自由度の高い島でないと生き詰まりとなってしまうのです。
特に離島の場合は、逃げ道が塞がれてしまうので、人の出入りが多いのはいざという時の拠り所となるのです。
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