海外からの脱出に困窮を極めた老人ロングステイヤーたち
今から15年前、ロングステイ財団や取り巻き業社のロングステイへのPRはとても熱が入っていたのです。
そうした中でも、マレーシアに移住したロングステイ移住者を登場させたPRは効果てき面だった。
そこに登場した移住者の女性は格安でのゴルフのプレーをしながら「毎日こんな幸せを味わってよろしいのでしょうか、日本に住む方々に大変申し訳ない気持ちでいっぱいです」と満面の笑みを浮かべながら南国のパラダイスで自分が幸せの絶頂にいることをアピールしていたのです。
でも、このロングステイ移住者の声とやらは毎度同じ方々なのでした。
ロングステイこそは自己責任の世界
じりじりと円が急落してしまい、とうとう海外ロングステイが崩壊して生活が成り立たなくなって置き去りにされてしまった老人たち、こうなると即刻脱出を考えねばならない緊急事態です。
しかし彼らはもはや行動力も限界に達しているのでどうすることも出来ないのです。
移住というのは行くのも大変なことですが、戻ってくることが想定外とされて切り取れているので、こうして、残された移住者たちは途方に暮れてしまうのです。
それは、行く際にはたくさんのマニュアルが用意されていますが、脱出する際のマニュアルというものは一切存在しないからです。
そう、脱出の際もそれ相当の労力とお金の負担か掛かってくるのです。
ましてや、海外からの脱出となると、田舎暮らしからの脱出の比ではないのです。
携わった業者にすがっても、こうした利益につながらない話には深入りを避けるので、大使館に駆け込むか夜逃げの業者を紹介するかに留めるのです。
日本だったら、引っ越し業者もたくさんあるので、ネットで見積もりを取るなど事は簡単に済むのですが、外国ではそうは行きませんよね。
コンドミニアムの処分や賃貸契約の解除、そしてもろもろの帰国の手続きが必要となるので年寄りではしどろもどろになってしまうので簡単にはいかないのです。
海外ロングステイの崩壊でもこれらの修羅模様が展開されたと想定出来るのですが、結局、この実態は黙殺されたのです。
南国での夢の生活を求めたロングステイヤーの場合、欲の極み自業自得と冷笑されてしまうので、彼らに対しての同情の声は一切聞こえてこないのです。
さんざん大袈裟なプロモートをして人を引っ張り込んでおきながら後は知らん顔。
これを指南した国や業者を恨んだところで後の祭りなのです。
円安で生活がままならなくなっても相場というものは水物なので誰にも責任は問えないということに尽きてしまうわけです。
ましてやロングステイは自己責任の世界なので、最後まで自分たちで尻を拭わねばならないのです。
日本だったら、子供や孫の手を借りたり、行政の支援も期待出来るが、外国は自国民でない人間を助けることはしないので、救済などは一切期待出来ないのです。
これが年寄りの貧乏人を率先して海外への移住を促進したロングステイというまやかしの成れの果てなのです。
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