忍者ライターの取材日記ロングステイ編パート2
亭主の独断専行が悲劇の序章となる
それでは今日も忍者ライターの取材日記:ロングステイ編パート2です。
僅か3か月でロングステイ生活に終止符を打つこととなってしまったというご夫婦の取材模様を引き続きA氏に語って頂きます。
そうしたことで、A氏のはやる気持ちは抑えきれず、早速、ローンが終わっている家を処分して、その資金の半分で東南アジアのリゾート地にある高級コンドミニアムを購入したそうなのです。
こうして、念願だったロングステイ生活を実現するために終の棲家としてその地に移住したというわけです。
はやる気持ちが抑えきれないA氏、しかし奥さんは………
「とにかく行く前から、頭の中は、ゴルフと南国のリゾートばかり、日本なんかには絶対に戻らないぞってな感じで、勢いで家も処分してしまったのだよ」
ところが、A氏のハイテンションとは裏腹にゴルフを一切やらない奥さんの気持ちは曇ったままだったというのです。
えっ、奥様はゴルフをやらないの⁈
「しかし、夫婦って本当に難しいよな、そもそもうちの場合、私は仕事ばかりで家に居ることが殆どなかった状態だったんだ、休みの日も友人とゴルフに出かけていたくらいだからね」
そうため息交じりで話すA氏。えっ、どういうこと?
「いや、外国にいると買い物も常に夫婦同伴だし、そうなると二人でいる時間が長いじゃない、それって女房とすればそれだけでプレッシャーに感じちゃうのだよ」
どうやら、このご夫婦は、慣れない外国での日常の生活習慣で夫婦に溝が出来てしまったようです。
「女房はクルマの運転も出来ないので一人で買い物にも行かせられないし、ゴルフに行くにしても女房を一人で家に残して行くわけにもいかなくなってしまったのだよ」
あらら、行ったそうそう絡まりの連続のようです。
う~ん、外国はクルマ社会、日本みたいに気安く歩いて買い物も出来やしない。
「とどのつまり、ここに住んで1週間も経たないうちに連日の大喧嘩となっちまってね、ゴルフに出かけるどころじゃなくなっちゃったんだよ」
ゴルフ目的で移住したのにゴルフが出来ないのでは目も当てられません。
「結局、物価が安いといっても、日本と同じものを食べるとなると倍の金が掛かってしまうし、そもそも現地の人間は料理を作らない習慣が根付いているので台所用品なんかも粗末なんだよね。
そんなこんなで、毎日、外食するしかなくて、それもほとんど同じ店にいくはめになってしまったのさ」
買い物も迂闊に出来なくて料理も作れないでは奥さんのやることが殆どないということか。
「周りに屋台はたくさんあるのだけれども、女房は油ぽい食べ物が苦手なので、現地の食べ物は受け付けないし、屋台は不衛生なので、日本人が食べたら腹を壊しちゃうんだよな」
う~んなるほどそういうことか、話が徐々に見えて来た、どうやらこのご夫婦は事前のすり合わせを殆ど行っていないようなのです。
今日はここまでとさせて頂きます。
この続きは明日に……。
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