イスラエルのレバノン侵攻はヒズボラの掃討の始まりか
イランの後ろ盾が消えてしまいヒズボラは弱体化あるのみ

今回はイスラエルのレバノン侵攻に関して簡単に記してまいります。
イランやレバノンに関しては、過去に雑学Webに寄稿したことがあるので、そのさわりに肉付けをして記す次第です。
イランへの大規模攻撃から一転、今度はイスラエル軍が、イラン攻撃と並行して隣国のレバノンに向け、地上部隊を展開したというのです。
この地上部隊の侵攻は、レバノンの親イランのシーア派組織であるヒズボラから攻撃を受けたことの報復であると発表したわけです。
大国であるイランとの戦争状態にある中で、レバノンに向けての地上戦とはどういう意図なのでしょうか。
事情を呑み込めない人は、イスラエルってただの戦争屋じゃないのと懐疑的に思ってしまうことでしょうね。
う~ん、どうやらこのレバノンへの侵攻も、ヒズボラに敢えて隙を見せて攻撃をさせるという、イスラエルならではのしたたかな戦略の一つと言えるもので、イスラエルは予め仕組んでいたという計画的なものに見えてくるのです。
見かたを変えれば、イスラエルはアメリカという怪物のお陰でそれだけ余裕だというわけなのです。
ということで今回は、イスラエルによるヒズボラとの戦闘と日産のカリスマ経営者だったカルロス・ゴーン氏やイスラエルのロッド空港乱射事件で民間人26人を殺害した岡本公三も隠れているという特殊国家レバノンにスポットをあて、いつも通りの雑学タッチとオチャラケを交えてイスラエルの意図などを簡単に解説してまいります。
「中東のパリ」一転、断末魔の国に変貌
レバノンという国は、「中東のパリ」と言われたくらい穏やかで美しい国だったのです。
ところが隣で起こったイスラエルとパレスチナの紛争がレバノンにも連鎖をしてしまい、瞬く間に大混乱状態となって、今や経済も大打撃を受け、汚職や賄賂が蔓延する秩序の無い無法状態の国家に陥ってしまったのです。
そんな無法国家のレバノンで、力を付けてしまったのが、イランの支援を受けて台頭して来たシーア派組織のヒズボラなのでした。
最初にオチャラの話をしてしまうと、とにかくこのレバノンという国は、お金さえあればどんな犯罪者やテロリストでも受け入れてくれるといういい加減で特殊な国なのです。
イスラエル当局から捕虜交換で釈放された岡本公三の場合、本来は日本に送還されて、再び逮捕されることになる筈なのですが、その岡本を引き取ったのはレバノン政府なのです。
当然、日本は岡本の引き渡しを要求していますが、そんなもん無視状態という感じです。
そう、あの日産のカルロス・ゴーンさんもレバノンでVIP待遇の余裕な生活を送っているのです。
レバノンという国は金さえあれば何でも買える国で、ドサクサに紛れて住むには打ってつけ、何といっても武器の密輸など、敵も味方もなく商売することでも有名な国なのです。
ヒズボラを壊滅するチャンス
今回、イスラエルが標的とするヒズボラは、ここに来て勢力は弱まっているのです。
しかし、ヒズボラは弱体化したと言っても、未だ4万5千人の戦闘員が存在し、15万発のロケット弾も保有していることで、イスラエルにとって依然、脅威のままなのです。
イラン作戦をスムーズに実行して行くには、目の上のたん瘤であるヒズボラを牽制しておかなくてはならないわけです。
今は頼みのイランからの支援が途絶えていることで、ヒズボラを壊滅するチャンスでもあるわけです。
まあ、イスラエルはヒズボラに関しても、かなりのプレッシャーを掛けてきたのです。
記憶に新しいのは、イスラエルのモサドは、ヒズボラが所有するポケベルを遠隔操作で爆発させる手口で、ヒズボラの戦闘員を恐怖に陥れた一件ですよね。
このポケベルの爆発作戦では、ヒズボラの指導者を殺害することにも成功しているのです。
イスラエルの敵がどんどん弱体化して行く
イスラエルの敵と言われる存在は、ガザの侵攻でパレスチナのハマスが弱体化して行き、そして、今回のアメリカとイスラエル奇襲作戦によって壊滅的な被害を受けた最大の宿敵であるイランが崩壊寸前となったのです。
そしてイスラエルがソマリランドを国家として承認したことで、イスラエルはソマリランドからアデン湾を挟んだ対岸のイエメンのフーシ派の拠点にミサイルの標準を合せることが出来てしまったのです。
残るは、イスラエルに最も隣接するレバノンのヒズボラだというわけです。
さすがイスラエルらしい、やるときは一気にやらねばならないということ、ここで手をこまねいていたら、敵の息を吹き返らせるだけ、弱っているときに叩いて士気を挫くのです。
まあ、イランのシーア派の存在がなくなってしまったら、レバノンのヒズボラもイエメンのフーシ派、そして、イラクのカタエブ・ヒズボラも一挙に戦闘力を失い弱体化してしまうことは間違いのないことなのです。
3つの勢力が実権を握るモザイク国家
実は、レバノンという国は特殊な政治システムで成り立つ国家なので、イスラエルにとって、攻めやすい部分もあるのです。
それは、レバノンの場合、キリスト教徒、スンニ派イスラム、シーア派イスラムという3つの勢力が実権を握るモザイク国家だからです。
この3つの勢力が均衡を保つことで成り立っている国なので、大統領にはキリスト教徒、首相にはスンニ派イスラム、国会議長にはシーア派イスラムという感じで、国が運営されているのです。
とどのつまりは、モザイク政治も機能しないことで、何も決められない状態となっている国なのです。
それはそうですよね、キリスト教徒とスンニ派とシーア派じゃあ話がまとまるわけがない。
イスラエルの侵攻と言っても、イスラエルが対峙するのは、レバノン軍ではなく、ヒズボラの戦闘員なのです。
ヒズボラの存在は、シーア派イスラムに属した組織なので国家の存在ではないのです。
イスラエルの場合、レバノンのキリスト教徒とスンニ派との関係は良好なのです。
レバノンのキリスト教徒とスンニ派イスラムからすれば、イスラエルがヒズボラの力を弱め、せん滅してくれたら万々歳というわけです。
それにしても、イランの後ろ盾がなくなればヒズボラの戦闘能力は減退して行くことは間違いのないことなので、ここで力の差を見せつけて一気に畳みかけるという作戦なのです。
忍者ライターの久保誠が「デュラルライフ」「田舎暮らし」「シニアライフ」「スローライフ」「海外ロングステイ」の情報と「雑学のすすめ」を主題として、ソフトタッチに日々の出来事、経済、国際情勢、政治、芸能、歴史のウンチクなどを語ってまいります。




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