赤坂のサウナで命を落とした理不尽な人災

今年も色々なことがありましたけれど、その中でも、赤坂で起きたサウナの火災事故は、怠惰の極みといえるべきものだったので、とてもいたたまれない気持ちになるのです。
このプライベートな個室サウナは、一般大衆よりワンランク上という、特別やハイソを売りにしていた小金持ちに狙いを定めたものですが、中身はまったく違っていたという眉唾物だったわけです。
通常は、お金を多く払えば、信頼そのものも大きくなるので、安全なサービスも付加されると考えるものですが、それを鵜呑みにしてしまったことが完全な命取りとなってしまったのです。
ということで今回は、赤坂で起きた前途有望な若い経営者夫婦に巻き起こった理不尽な火災事故を検証するとともに、小金持ちが狙われる世の実態に迫り、いつもながらの雑学タッチで、チョット油断をすると落とし穴が待ち受けているので気を付けましょうという警鐘を鳴らしてまいります。
サウナに閉じ込められたら生き地獄と化す
このご夫婦は、ご主人が美容室を経営されていて、奥様がネイリスト、そして3歳のお子さんがいるそうなのです。
う~ん、なんともいたたまれない、このご夫婦の場合、美容室とネイリストということで、自分の腕一本で成功を収めた方々なのです。
それにしても、いくらなんでも、サウナの取っ手が壊れていて脱出が出来ないなんてあり得るのだろうか。
しかも、非常ボタンの電源は切れた状態だったそうなのです。
これに関して、この店の経営者は「非常ボタンの電源は切ったままで、今迄触ったこともない」と居直りみたいな発言をしているのです。
何より、90度の高温のサウナという個室に閉じ込められてしまったら、高体温症の状態となって臓器が破裂状態となり、生き地獄の苦しみを味わうことになってしまうので、想像しただけでも悲惨で恐ろしいことです。
それにしても、今の時代にこんなバカげたことが起きうるのでしょうか、私自身もサウナをたまに利用するのですが、サウナ内にいるのは、せいぜい5分から10分程度、それ以上だと息が出来なくなって危険を感じるくらいなのです。
結局、これも知床半島沖で起きたカズワンの転覆事故と同じで、ゼニ儲け主義からくる横着が巻き起こした災難の一つといえます。
これは経営者の刑事責任は必須のこと
こんな杜撰極まりないことで、前途有望な若い経営者の命が奪われるという理不尽。
この二人は、発見された時に、男性が妻を庇うように、妻の上に覆い被さった状態で息絶えていたというのです。
非常ボタンも何度も押した形跡があったようで、脱出しようとあらゆる手を尽くしたようなのです。
結局、ここはプライベートな個室サウナが売りということで、従業員の見回りもないことが仇となってしまったわけです。
しかしながら、サウナという高温密室の個室なのに木製のチャチなドアノブなんて見たこともありませんよね。
この事故はドアノブが壊れていなかったら脱出が出来たことで防げた筈です。
消防に通報があったのが、隣のビルからということのようで、どうやらこのサウナは経営者も従業員もまったくのど素人が運営を行っていたのではと考えられるのです。
これでは経営の怠慢である人災そのものなので経営者の管理責任はしっかりと問われるべきでしょうね。
とにかく、この事故のインパクトは大きいので、これがきっかけとなって、個室サウナを売りとするホテルや施設は運営の見直しとなるだろうし、個人でのサウナの設置も減ってしまうのは致し方無いことだと思います。
小金を持つと安易な誘いに乗ってしまう
このご夫婦みたいな成功者の場合は、お金を持っていることが一目瞭然なので、普通より、特別を謡う話やプライベートな売りの誘いが多くなるのです。
小金を持っていると常に狙われるということ、結果的にこのご夫婦の場合は、サウナのニワカ経営の誘いに騙されたことが、命取りとなってしまったのです。
とにかく、小金を持っていると、どこからかその情報を聞きつけて、変な人間共が寄ってくるのです。
しかし、由緒ある一族や本物の金持ちの場合は、ガードが堅いし、人を見抜く目も持っていることで、不埒なヤカラは一切入り込めないのです。
ところが、不動産などのあぶく銭で儲けた人間や小金持ちレベルの場合は隙だらけなので、耳寄りな話に乗ってしまうケースは非常に多いのです。
実は私もそれを昔、経験したことがあるのです。
私の場合、一人経営のスモールビジネスで、20年間にわたり年間1億円を稼いでいたことで、小金持ち予備軍程度の稼ぎがあったのです。
そうしたことで、特別だのと、ワンランク上を謡うような怪しい話が次々と飛び込んできたのですが、しかし、その9割以上の話は詐欺だったのでした。
そんなこんなで、騙されまくって、まったく経験の無い、他業種の経営に首を突っ込んだりして失敗を繰り返すという連続で、最後はすってんてんと言うわけです。
まあ、今となっては夢物語となってしまいましたが、ワルに騙されないで真面目にやっていれば10億円くらいは貯められていたんじゃないかと思うのです。
それにしても今回、被害に遭われたご夫婦は堅実な経営をされている方なので、こんな理不尽な災難に遭って命を落とすなど気の毒としか言いようがありませんよね。
異業種交流会は詐欺師だらけ
チョット余分な話ですが、このご夫婦とサウナの経営者は知り合いであるという報道があるのですが、それって一体どこで知り合ったのだろうかと怪訝に思うわけです。
というのは、騙されまくりの私の場合、異業種交流会に参加して面倒な目にあってしまった経験があるからです。
経営者というのは、経営が少し成功すると、経営者の心理として、経営者としてのスキルを身に着けたい、経営という同じ志を持った人と会話し交流を深めたい、ビジネスパートナーと出会いたい、経営者は孤独なので、そうした心理状態に陥るものなのです。
そうした感情を克服するために多くの人は、異業種交流会やセミナーに引き寄せられるのです。
ということで、このご夫婦とサウナ経営者は、この異業種交流会で知り合ったのかと勝手に推測してしまったわけです。
とにかく、異業種交流会は主催者自体が眉唾、行って見たら勧誘だらけと詐欺師が待ち構えていたというわけです。
異業種交流会は経営者の孤独を巧みに突いた詐欺イベントといってもいいのです。
お金を払って詐欺イベントに参加して、いらないものを買わされるという絵にかいたようなアホなストーリー、これに引っかかる人は後を絶たないのでした。
このご夫婦とサウナの経営者の関係がこれだとは断言は出来ないのですが、こうしたケースは非常に多いのです。
まあ、それにしても、こうした特別でハイソを謡う商売で信用出来るといえるのは、老舗百貨店の富裕層向け外商ぐらいなのです。
なので、儲け優先で参入したニワカ経営者の場合は、サービスを持続して提供することは疎かとなって行くのが定番のことなので、そうしたヤカラと付き合うと、ろくなことが起こらないのです。
肝に銘じましょう、特別やワンランク上の甘い言葉は禁物なのだということです。
忍者ライターの久保誠が「デュラルライフ」「田舎暮らし」「シニアライフ」「スローライフ」「海外ロングステイ」の情報と「雑学のすすめ」を主題として、ソフトタッチに日々の出来事、経済、国際情勢、政治、芸能、歴史のウンチクなどを語ってまいります。




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