謎に包まれた自給自足の冬場の実態
今や寒い冬の真っ只中、しかし、ここに来てクローズアップされだしたテレビのバラエティー番組の自給自足の人たちの姿は半袖の人や軽装の人たちばかりなのです。
そう、田舎暮らしの放送でも完全に盲点となっているのが冬季の実態なのです。
ということで、今回は自給自足の中でも特に切り取られている冬季の話題にスポットをあて簡単判りやすく、その実情を記してまいります。
キリトリされてしまう冬の実態
自給自足を実践する上で一番のネックとなるのが真冬の自給自足生活なのです。
そもそも自給自足生活を送る上で最適といえば、やはり季節感のない温暖な地域が理想となるのです。
それは何と言っても、気候の変動がなければ季節ごとの衣替えをしなくて済むので自給自足生活が効率的にスムーズに実行出来るからです。
しかし日本には過酷な冬は付き物なのでそうは行きませんよね。
何と言っても自給自足の場合、真冬ともなると冬の間は寒さとの戦いとなるので、その生活ぶりは過酷そのものとなるからです。
しかしながら、さすがのテレビ番組も冬季の生活模様となると負の側面ばかりがクローズアップされてしまうことで殆ど取り上げないのです。
農地を持ち家畜を飼って、狩りなども行う本格自給自足を開始したとしたら、冬の間の生活も避けては通れないのは当然のことですよね。
冬場は農業での生産は見込めなくなるが、生き物の家畜の管理は待ったなしなのです。
そうなると、自給自足生活の場合は、耐え忍ぶという忍耐の期間も余儀なくされるというわけです。
とにかく、自給自足にとって真冬は寒さに加えて日照時間も短くなるのであらゆる行動が阻害されてしまうし、食料の確保にも難儀するので鬼門そのものなのです。
そうなると、冬の食料の備蓄と暖を取る為の薪割りは生きる上で欠かせないものなので、地域によっては、9月末から冬支度をしなくてはならなくなるのです。
真冬の山間は、-10度や-15度は当たり前の世界、その間の屋外での野良仕事は殆どクローズ状態となります。
特に自給自足生活ともなると年季の入った断熱効果の薄い古民家での暮らしが多くなるので、暖炉を止めたら家の中の温度もマイナスとなる場合が多いのです。
そうなると日中でも暖炉だけでは部屋は温まらないので、石油ストーブも兼用しなければならなくなるのです。
冬場は、家の中でもダウンを着込んでの厚着対策は必須なのです。
薪の節約の為に風呂も我慢をしなくてはならないし、水道の水は凍結を防ぐ為に常に出しっ放し状態となります。
こうした生活は11月から始まり翌年の4月の6か月間にわたって続いて行くのです。
こうなると誰もが冬場の薪割りの辛さに打ちのめされてしまうのです。
しかし、「寒さを耐え忍んだ後に幸せが来る」この我慢、忍耐の精神をポジティブに変える思考こそが自給自足の概念でもあるわけです。
しかしながら、寒い冬は体内のエネルギーの消費も多くなるので、確実に免疫力が下がることで寿命も縮まる傾向があるのです。
でも、昔はこれが当たり前の生活だったわけです。
当然の如く昔の人は豪雪地帯であっても自給自足によって冬場を乗り越えたからです。
それこそ、酷寒の地で自給自足生活を送るエスキモーのイヌイットと呼ばれる方々の場合、-30度や-40度という氷の世界で狩りをしながら生き抜いて行くのです。
いやはや、人間の生命力というものは凄いと思わず感激してしまいますよね。
寒さのネガティブをポジティブに変える思考、自給自足とはミラクルな奇跡を呼び起こすものかも知れません。
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