トランプ大統領の就任式企画「プレッシャーオンチャイナ トランプパフォーマンス」
今日も昨日に続きトランプ大統領の就任式の話題2です。
トランプ氏は就任前から関税のジャブをカナダやメキシコに放ち、パナマ運河の通航料から、矢継ぎ早にグリーンランドの買収の話を再燃させ、そしてWHOからの撤退をちらつかせるというまるでアクロバットのようなエキセントリックの数々を展開する政治パフォーマンスぶりなのです。
それにしても、トランプ大統領はカナダを本気で欲しがってなどいません、ただ、カナダはリベラルが多いので、少し脅しを掛けただけのこと、外交とは常に腹の探り合いなのです。
これでお判りの通り、これらの全ては就任前に中国に対してプレッシャーを与える用意周到なトランプパフォーマンスなのです。
したたかなグリーンランド政府と自治政府
昨日は、デンマークは中国と手を組んでいたという話で終わりました。
デンマークにとってグリーンランドは現時点では金食い虫のお荷物なだけなので、売ることは絶対にしないが、グリーンランドを利用して大いに儲けようというキャンペーンを展開していて、したたかにアメリカと中国を天秤にかけているのです。
実は、中国はアメリカより先に、2度にわたってグリーンランドの元基地の買収をデンマーク政府に打診して断られているのです。
そうグリーンランドには中国の魔の手が随分前から伸びていたのです。
まさしくグリーンランドをめぐって水面下で中国との攻防が繰り広げられているのです。
この経緯を日本のマスコミは全く把握していないのです。
中国は10年前から、「一帯一路の北極シルクロード」の一環として自治権が拡大されたグリーンランドに急接近しており、お得意のライフラインの構築と鉱物資源の開発に意欲を見せているのです。
グリーンランドでの鉱業権、資源開発の権利などは自治政府に委ねられたことで、中国は既に、自治政府に取りいって、レア・アース鉱山の開発に着手しているのです。
グリーンランドには、世界最大級とも言われるレア・アース資源が存在するのです。
レア・アースは、そもそも中国が世界シェアの8割を持つほどの独壇場なのです。そのグリーンランドのレア・アースまでもが中国に独占されようとしているのです。
そうしたことで、グリーンランド自治政府が置かれているヌークでは、チャイナマネーによって港湾、空港などインフラ整備が進んでおり、独立精神旺盛な自治政府は中国の支援に頼った状態なのです。
要するにアメリカは、民主党政権の8年で、ここでも中国にやりたい放題をされてしまったというわけです。
こうして、グリーンランド自治政府は、中国の資本力に目が眩んでしまい、中国主導の独立を目指す動きに出て、チャイナ資本で、観光用インフラ整備を整えて、中国人観光客を呼び込もうという計画を立てているのでした。
これではアメリカが怒るのも当然のことです。
そもそも、グリーンランド買収に関しては、過去にアメリカは、第二次大戦後に東西冷戦の戦略上からトルーマン大統領がグリーンランドの買収を打診するもデンマークから拒否されており、更には100年以上前の大統領も同じ発言をしているのです。
ということで、グリーンランドの買収は、日本マスコミが嘲笑う、荒唐無稽で馬鹿げた戯言と一蹴する話では決してないのです。
それは、その後のアメリカのメディアも、トランプ発言をそれほどの的外れの発言ではないと、調整気味にグリーンランドの重要性について冷静に分析した記事を配信していますが、日本の場合は、相変わらず産経くらいが取り上げただけです。
実はグリーンランドにはヨーロッパ諸国の防衛を担う最先端の米軍基地があるのです。
そう、中国の進出で、話が更に厄介になるのは、グリーンランドにはICBMなどの弾道ミサイルが配備された高度なレーダー基地も併設している「チューレ空軍基地」(現ピツフィク宇宙軍基地)という米軍基地が存在するからです。
グリーンランドは、第二次大戦中から北極圏の防衛の要として欧州と北米をつなぐ戦略的に極めて重要な位置にあるのです。
ここで、またしても中国が覇権を握ることにでもなれば、アメリカの防衛システムは根本的に覆されることになるのです。
これで、グリーンランドがいかにアメリカやヨーロッパ諸国の防衛の要を担う重要な島であることがお判り頂けたことでしょう。
トランプ大統領のグリーンランド発言は日本のマスコミが言うような荒唐無稽でもバカな発言でもない正論だったのです。
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