田舎暮らしとスローライフ:インチキスローライフに引き寄せられてしまった移住者たち
今日は、田舎でスローライフ生活というまぼろしの楽園にインスパイアされてしまった移住者の模様を記してまいります。
ここにきての、田舎暮らしの数々の残念なミスマッチは双方の思惑違いがもたらすドタバタ騒動ともいえるものです。
しかしながら、田舎暮らしが甘いものではないという事実が庶民の間に伝わったことは、これから田舎暮らしを熱望する方々にとって、よからぬアクシデント回避の警鐘となることなのでとても無難な実例となったわけです。
それにしても、古くからロングステイやデュラルライフなどのスローライフの移住に携わってきた私の目から見ると、今迄の風潮自体が酷過ぎたとしか言いようがないのです。
まあ、そもそも、マスコミのトレンド化というものは過大で大袈裟に大風呂敷を広げるのは定番なので、毎度こうしたミステークが繰り返されてしまうということです。
何と言っても一昔前のマスコミによる田舎暮らしといえば、熱気の入った過剰なポジティブ感の宣伝ばかりとなっていて、特にテレビのバラエティー番組では、移住者の生活模様を過大に宣伝して田舎天国の演出を施してきたのです。
あのマスコミによる上手なマインドコントロールの印象操作に触れてしまえば、田舎の人はみな面倒見の良い素朴な善人揃いと思ってしまうことは致し方ないことでもあります。
また、ネットでスローライフと検索すると、やたらに田舎暮らしのキャッチばかりが目につき「田舎でスローライフの生活を満喫しよう」などの不動産物件の紹介や過疎化した市町村の勧誘宣伝が目白押しの状態だったのです。
これらの宣伝の多くは、田舎に移住すればスローライフの生活が待ち受けているという安易なものばかりで、田舎の実態を捉えた上で誘致を促すケースなどは皆無状態なのです。
また、肝心のスローライフの視点で語られるものも殆どないことで非常に気がかりだったのです。
結局これでは、だまくらかしの欺きでしかないので、結果は案の定、田舎劇はドタバタ劇場と成り果ててしまったわけです。
中には、マスコミのキャッチに単純に触発されてしまい、スローライフを実践しようと試みた方もいるのです。
そうした方の場合、田舎で待ち受ける人間関係の軋轢以前にスローライフの基本も判らずに移住したケースも多いのです。
ところが、移住してみたら、田舎にはマスコミがいうスローライフ生活の風習などまるでなく、スローライフとは似ても似つかぬ生活が待ち受けていたというわけなのです。
いやはや、そういう結果となるのは当たり前のことですよね、田舎の過疎の集落で余裕なスローライフ生活なんてあり得ない話です。
しかし、移住してしまったら後の祭り、田舎移住は単なる引っ越しレベルとは違うので、簡単には後戻りは出来ないからです。
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